東京大学大学院 総合文化研究科 広域システム科学系

江守研究室

気候危機の時代における
科学と社会の諸課題に挑む

EMORILab

科学的知見と社会の価値観を融合して、 気候危機に立ち向かう

 地球温暖化あるいは気候変動とよばれる問題に対して、皆さんはどんなイメージや考えを持っているでしょうか。

人間活動による地球温暖化には科学的に疑う余地が無いといわれる一方で、SNSを見るとCO₂温暖化はウソだと言っている人がたくさんいます。人類の文明を脅かす気候危機だという認識が広がる一方で、たいしたリスクではないという人もいます。CO₂排出ゼロを目指す「脱炭素化」が政策やビジネスにおいて世界的に主流化していますが、再生可能エネルギー 100%を目指すべきという人たちと、原子力や水素・アンモニア火力を使うべきという人たちは激しく対立しています。

このような認識や意見の分極化は科学的な知識の正誤のみによるものではなく、社会における多様な価値・立場・利害などが大きく影響して生じているものと考えられます。

 私は元々、気候変動の将来予測などのシミュレーション研究を行う気候科学者で、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書執筆にも参加しました。

しかし、上記のような問題状況に巻き込まれるにつれ、気候変動をめぐる科学と社会の関係について考えるようになりました。

現在は、社会科学者と協力して、気候変動対策の政策提案に市民の熟議をいかに反映するか(気候市民会議)や、脱炭素化を目指すエネルギー技術の評価に倫理を含む多様な観点をいかに反映するかなどを研究しています。メディアの役割を含む、気候変動のコミュニケーションの問題にも長く関わり、検証すべき仮説をいろいろ持っています。気候変動問題に関心を持ち、科学と社会の関係においてこの問題を一緒に考えてくれる学生を歓迎します。

MEMBER

デスクと椅子
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